高い専門性を持った技術士が企業経営をお手伝いします。

NPO法人かわさき技術士センター

技術支援ニュース

No.18


2009年 8月号


発行責任 かわさき技術士クラブ

「かわさき技術士クラブへの期待」  川崎市産業振興財団理事長 君嶋 武胤

 川崎市は、今やわが国有数のイノベーション都市になってきています。市内中小企業にとって、 技術力の向上は至上命題であり、企業からは、専門家による支援を求める声が大きくなっています。 こうした企業の声に応えるべく、当財団として、窓口相談、ワンデイコンサルティング、専門家 派遣、人材育成セミナー、かわさき起業家オーディションなどを展開していますが、これら施策遂 行にあたって、かわさき技術士クラブの皆様には、クラブ発足以来ご協力をいただいております。 お礼申し上げるとともに、今後もより一層のご支援をいただきたいと思います。
 また、中小企業が直面する技術的課題は、複雑多岐に渡っていますので、一人の技術士がそれら 全てに対応できるとは限りません。クラブという形で組織的対応をする必要性が生れているといえ ます。クラブのホームページは、当財団のホームページからも見ることができますが、技術士個々 の紹介だけでなく、クラブとして組織的対応ができるというイメージをもっと強く打ち出していた だいたら中小企業者にとって、より頼もしく見えるのではないでしょうか。

MOT 第2回 「新規事業」  技術士(化学、総合監理部門) 北本 達治

「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求める」 MOT シリーズの第 2 回、新規事業を考えて見ます。 MOT は、「技術を事業の核とする企業・組織が次世代の事業を継続的に創出し、技術発展を行うため の経営」と定義(経産省)されています。新規事業創出は MOT の花ともいえます。企業経営、技術 経営において、新規事業を成功させるということは一番晴れがましいことかもしれません。それだ けに、困難も、リスクも大きいものです。冒頭の孫子の言葉に見るように、勝つ戦いというのは前 もって勝つことが確信できてから戦を始めるもの。新規事業に進出するには、まず慎重な事前調査 でいけると確信が持てるところまでつめておくのが必要です。
 社長さんなら、自社が長年手がけてきた製品とその市場については、隅々まで目が届き、考える というより、いわば体で感じるくらいよくわかっておられるもの。ところが、技術が変わり、市場 が変わる新規事業では、こういう体と一体になった土地勘の助けを借りることができません。市場 を知ること、 自分がユーザーになったつもりでじっくり見ることも大事です。 次が技術です。まず、 自社の技術的な資産のたな卸し、 「知的資産経営報告書」を作ってみましょう。これについては 10 月 15 日の川崎市人材育成セミナー(問合わせは下記サポートセターへ)でも説明する予定です。 中小企業の知的資産というのは、特許だけではなく、自社の商品に関する材料、市況、競合企業の 動き、社長の人脈、設備、独特のノウハウを持った従業員など、普段は当たり前と思っていること が実は当社の競争力となっていることが多いものです。これを、「見える化」するのが、知的資産 報告書です。融資・出資の説明資料、新規顧客開拓のためのプレゼン用、リクルート用、また、従 業員のモラルアップにと、色々な効果があるものです。中でも、本題の新規事業に取り組もうとす るとき、自社の得意とする知的資産を洗い出して、それを十二分に活用していくのに役立ちます。 新規事業には一般に新しい技術が必要です。大企業なら不足技術は自社開発することもできますが、 中小企業ではそれはそう簡単ではありません。そこに産学官連携を利用して大学や公設研究所で開 発された技術の活用、大企業でお蔵入りになった特許の活用などがあります。かわさき技術士クラ ブにはこれが得意なメンバーもたくさんおります。かわさき技術士クラブ(注1)へ相談いただけ ればお役に立つはずです。 注1:検索 かわさき技術士クラブ

省エネルギー 第2回 「助成制度」  技術士(建設部門) 横井 ツヤ子

 省エネルギーに関する中小企業向けの助成制度は、大きく3つに分けられます
 一つは、金融上の助成制度で、公的金融機関により資金を低利で融資してもらえるものです。 例えば●「環境・エネルギー対策貸付」(当該事業に必要となる設備投資や運転資金の融資) ●「省エネルギー促進無担保貸出制度」(省エネセンターやESCO事業者等の省エネ診断などに基づく省エネ投資を行う事業者に対し無担保で融資) ●「環境配慮型経営支援貸付」(ISO14000、エコアクション 21 等を取得した事業者に対し経営促進のための融資)等があります。
 二つ目は、税制上の助成制度で、 ●「エネルギー需給構造改革推進投資促進税制」(略称、エネ革税制)があります。これは青色申告書を提出する法人等が、省エネルギー設備等を取得し、かつ 1年以内に事業の用に供した場合に特別償却または税額控除ができる制度で、中小企業では7%の 税額控除(但し当期法人税額の 20%まで)が可能です。
 最後が各種助成制度で、経費の 1/3~1/2 が補助されるため、適用対象となれば事業者にとって は最もメリットが大きいものです。省エネルギー推進のため、官公庁、地方公共団体、各種団体等 でいろいろな補助金を交付しています。川崎市の中小企業で適用対象となりそうな事業としては、 ●「中堅・中小企業ESCO事業補助金制度」 (従来大企業のみが対象だったESCO事業を中堅・ 中小企業も適用対象としたもの) ●「エネルギー使用合理化事業者支援事業」 (工場・事業所にお6 ける省エネ設備・技術を導入する事業で、省エネ効果が高く費用対効果が優れていると認められる ものが対象) ●「環境対応型高効率業務用ボイラ等導入効果実証事業」 (石油焚き小型還流ボイラ および温水発生機を導入し、 その導入効果を検証する事業で、 当該ボイラ等の導入費が対象) ●「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」 (適用対象となるのは当該建築物関連や高効 率空調機器・給湯機器の導入費等) ●「温室効果ガス排出削減支援事業」 (排出削減設備の導入費 が対象)、といったものがあります。これら補助金交付事業は他にも様々なものがありますので、 丹念に調べるか、専門家、かわさき技術士クラブ(注1)等にご相談されるのがよいでしょう。

お役立ち最新情報

[支援事業] 

技術士による
技術窓口相談(無料)
毎週金曜日
13:30~16:30
8月7日、14日、21日、28日
9月4日、11日、28日、25日 (要予約)
 ワンデイコンサルティング(無料)
(平成22年3月21日まで)
随 時 ・派遣は、川崎市内の中小企業で1日(2時間)程度
・派遣回数は、同一年度で1企業3回まで
 専門家派遣(有料:半日 12,000円、1日 24,000円) 随 時 派遣回数は、川崎市内の中小企業で1企業あたり以下の費用をご負担いただきます。
・半日(3時間程度)の場合は、20回まで。12,000円/半日
・全日(6時間程度)の場合は、10回まで。24,000円/日
川崎市中小企業サポートセンターとは?
中小企業サポートセンターは、中小企業を応援する総合的な支援機関です。
主な支援事業は次のとおりです。どうぞご利用ください。
★総合相談窓口 ★専門家相談窓口 ★人材育成セミナー ★専門家派遣事業
★かわさき企業家オーディション ビジネス・アイディアシーズ市場」
【問い合わせ先】〒212-0013 川崎市幸区堀川町 66-20 川崎市産業振興会館6階
TEL:044-548-4141 FAX: 044-548-4146 URL: http://www.kawasaki-net.ne.jp/
2009年 8月 1日 発行 発行責任者:かわさき技術士クラブ 代表幹事 肥沼徳寿
E-mail: t_koinuma@mtf.biglobe.ne.jp

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