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NPO法人かわさき技術士センター

技術支援ニュース

No.16


2009年 4月号


発行責任 かわさき技術士クラブ

コラム 「ものつくり中小企業への提言 」  技術士(機械部門) 武藤 文男

 我が国の製造業総数 421 万社の 99.7%にあたる 419.8 万社、従業者 4,013 万人の 69.4%にあたる 2,784 万人は中小企業で、製造業付加価値額 108 兆円の 53%をその中小企業が生み出しており、国の経済を 支えて来ました。科学技術創造立国を目指す我が国の将来に重要な地位を占めております。
 昨年 9 月、米国に端を発した未曾有の経済危機は我が国にも厳しく押し寄せてまいりました。早急に 種々の対策を講じなければ大変なことになり、それぞれ日夜腐心されておられることと推察されます。
 ここで、私が企業に在職中、存続の危機に遭遇した時、新規技術の開発とその事業化を提案して苦境 を脱した経験があり、それを基に一昨年から川崎市産業 振興財団その他で“技術経営(MOT: Management Of Technology)のセミナ-を実施しております。また、経済産業省を中核とした中小 企業関係省庁も技術開発、特許助成等各種の中小企業支援政策を積極的に推進しております(Google で各省庁別”中小企業支援策“と入力、検索すれば情報が簡単に入手できます)
 (財)川崎市産業振興財団とその下部支援組織である「かわさき技術士クラブ」では、無料の窓口相 談、ワンデイ・コンサルテイング、専門家派遣等で皆様からの相談をお受けしております。
 この機会に是非ご利用下さるようご提案致します。(川崎市中小企業サポートセンターへお電話を)

気になる用語 「CSR」  技術士(繊維部門) 青山 進

 CSR(企業の社会的責任:Corporate Social Responsibility)は 従来の企業評価では財務内容や株主等の貨幣に関係した評価が主体でした。 然し情報の発達から企業活動が早期に知れるようになり、 企業のより良い経済的発展と社会との発展・融合が必要で、 それには法規の尊守、雇用の維持、より良い製品作り、納税以外に地球環境への配慮、社会環境の対応等が求められています。 この企業活動から企業を活性化させ企業価値を高め、社会に受け入れられる企業としての活動が活発になって来ています。 日本経団連では 1%クラブ法人会員(388 社)を対象に行った「2003 年度社会貢献活動実績調査」で社会貢献活動支出比率は 文化・芸術 17.6%、学術・研究 13.7%、環境 13.1%、教育・社会教育 10.1%で自主プログラム支出額は 1 社平均 1 億 500 万円(359 社)でした。例えば、環境への取組では環境省「環境にやさしい企業行動調査」 で企業活動のあり方はCSR(82.6%)と回答しています。 内容の 9 割近くが印刷・事務用品等の削減、省エネ・省資源の推進、オフィス廃棄物の抑制、クール・ビズの実施等になっています。

連載解説 「雇用・冬の時代の一考察」 (第2回)  技術士(応用理学部門) 吉川 孝

  第1回(2009 年 01 月)を掲載した直後から更に派遣切りに歯止めがかからなくなりました。 年末~年始に住む処も放り出された人達の何と多いことか。これが人の世かと怒りを覚えます。 経団連会長を務めた故・石坂泰三氏が言っていました。 「経済とは経世済民の略だ。世を治め、民を救う。これは昔も今もかわらぬ経済の原理原則でなければならない。 となると、経済は利益の問題ではなく、道義の問題となってくる。」と。
 経営者は時として「法に触れてはいない」と言います。が、「道義的な面から見てそれは通るのか?」を忘れています。 経済も人間の絆も壊れかけた今、石坂泰三氏の言葉を噛みしめてほしいものです。
 さて、この暗い世情ではありますが、取り挙げてみるに値する方向を探ってみます。 ① 高齢化社会の介護があり、② 自給率 40%未満の食料問題があり、③ 省エネ・炭酸ガス削減・地球保護の課題 があります。各々に関して検討してみます。
① 元気なシルバーと要介護者のコラボレーション...元気なシルバーが近郊の施設でボランティア活動 を行う。将来その活動に応じて今度は自分がその恩恵に与る。知恵を出し合って、地域でこのシステム 化を行政と協力して実施していけば明るい社会の実現が期待できます。
② 食料問題...いま地方は工業が停滞していますが、放置された農地や森林があります。海に囲まれた豊 かな漁場もあります。 ‘自給自足’‘地産地消’を目標に地域の農協や漁連と協力して進める。職場がな いと悩む人達に、貴重な資源があり、それを利用した職場がこれからは必要ですと説いていく。
③ 省エネ・炭酸ガス削減・地球保護...昨今は世界中で警鐘が発せられていますから皆さん関心がありま すが、自らが実行するとなると戸惑ってしまう人が多いようです。まず第一歩である「家庭や自らの企 業から取組みましよう」を地域一丸になって、行政と協力して進める先導役になることです。私も‘エ コ検定’を取得し、 現在 ‘エコリーダー養成講座’を受講中です。この分野で活動していくつもりです。
 上記の内容は未だ提案の段階ですが、常に現状の課題を把握して対応策を考えていくことが大切だと 思います。何もしないところからは何も解決しません。本来の日本の姿に照らし合せてみることも一策 です。本来の姿とは、近年ながら 30~40 年前の‘心の豊かさをもった日本’の姿であると思います。

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2009年 1月 1日 発行 発行責任者:かわさき技術士クラブ 代表幹事 武藤文男
E-mail: f-mutoh@df6.so-net.ne.jp

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